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リリース/会見
専務記者会見
     
  市本専務理事市本専務理事冬季記者会見
(平成21年12月15日)


 
    本日は年末のお忙しい中、恒例の記者会にお運びいただき誠にありがとうございます。
また皆様方には日頃よりビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から感謝申し上げます。では、組合の諸活動について順次ご報告申し上げます。


市場動向

  本年の国内市況におきましては、昨年のリーマンショック以降、急激に落ち込んだ国内景気は、アジア向けを中心とした輸出の増加等持ち直しているものの、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況が続いております。また、景気の先行きの不透明感は否めず、消費者の生活防衛意識と低価格志向は広がりをみせ、デフレの進行も憂慮されます。

  家庭用においては、低価格の新ジャンル商品への移行が進み、また業務用においては、中食化の進行、外食機会の減少により、ビールの売上は前年を下回る状況が続いております。平成21年1-11月の課税移出数量につきましては、2,646千kl、対前年比92.8%となっております。

  なお、1月〜11月の発泡酒と新ジャンルに触れますと、発泡酒は1,082千kl、対前年比83.9%、と減少しておりますが、新ジャンルは1,570千kl、対前年比121.1%と大きく伸長しております。


税制改正要望

 ビールは、全酒類消費量の37%を占めるほど、広く消費者の皆様に愛飲されています。このようなビールに対し、永年にわたり極めて高率・高額な酒税が課されてきており、消費者の皆様のご負担は極めて高いものとなっています。

  その水準はドイツの20倍、アメリカの12倍となっています。
  (平成21年ビール・発泡酒の酒税減税に関する要望書 平成21年6月末時点のTTMレートによる)

 本年7月〜8月に実施いたしました「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査」では68%の人が「減税すべき」との意見であり、具体的には、「大衆的なビールに高い税率で課税する事に断固反対」、「外国に比べて著しく高いので、税金を飲んでいるようで時々ばかばかしくなる」、「酒税と消費税とのダブルでの課税はおかしい。やめて欲しい」といった意見が多く寄せられています。

  私どもは今後とも消費者の皆様のご期待に応えるべく、ビール酒税の大幅な減税要望活動を進めてまいります。
  注)TTMレート Telegraphic Transfer Middle rate


アルコール関連問題


  ビール酒造組合では、未成年者飲酒防止を最重要課題として、平成14年より「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」、平成17年秋から「STOP!未成年者飲酒プロジェクト」に取り組んでまいりました。

  本年第8回を迎えた「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」は、全国から10,932点(昨年比113%)と昨年を上回る応募をいただきました。中学生・高校生自身に、未成年者飲酒防止に対する意識を高めていただくと共に、学校や家庭、地域を巻き込んで理解を促進することができたと考えております。さらに、今回学校賞を受賞した中学校・高等学校において、来年1月に「未成年者飲酒防止」をテーマとした見城美枝子審査委員長による講演会を実施する予定です。

  「STOP!未成年者飲酒プロジェクト」につきましては、さらなる認知拡大を目指して春と秋に2回のキャンペーンを実施しました。毎回大人向け、未成年者向けのスローガンを作成し、主に全国の交通機関で告知活動を展開しました。展開地域の拡大をはかり、首都圏、名古屋、京阪神地区、札幌市、仙台市、広島市、福岡市、那覇市に加え、四国地区も対象とし、全国9エリアで展開しました。

  また、コンビニエンスストア、スーパーマーケット業界やカラオケスタジオ業界の参加協力も得て、店頭でも未成年者の飲酒防止を告知し、未成年者飲酒防止活動の普及を図っております。

  さて、世界的にも注目されておりますWHO関連の状況についてご説明いたします。アルコールに関する世界戦略が来年5月のWHO総会で採択される予定です。WHOは戦略策定に向け、積極的な活動を展開し、本年春には各国のWHO地域事務局とのコンサルテーションを実施、8月にはコンサルテーションをもとに“Working document for developing a draft global strategy to reduce harmful use of alcohol”(アルコールの有害な使用削減に向けた世界戦略草案作成のための作業文書)をまとめました。これをもとに、本年12月に世界戦略の草案がWHOより発表され、アルコール関連問題に対して、幅広い領域で政策提言が行われております。本件につきましては、国内外の業界と連携し真摯に対応していく所存です。

  また、国内においては、ビール酒造組合のみならず酒類業界全体の取組みとして、酒類業中央団体連絡協議会の場を介して、「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示等の自主基準」の見直しを進める等、アルコール関連問題は酒類業界に関わる企業の社会的責任として、引き続き主体的・積極的に取組んでまいります。


公正取引・市場問題


  ビール各社は、独占禁止法、景表法、国税庁から発出された「酒類に関する公正な取引のための指針」(平成18年制定)や公正取引委員会から発出されたガイドラインをもとに独自に取引のガイドラインを策定し、公正な取引の維持に努めております。本年6月には独禁法の一部を改正する法律が公布され、不当廉売に対する規制の強化が進んでいます。ビール業界は、引き続き公正な取引環境の構築に真摯に取り組み、今後も流通各層のご協力を得ながら、より一層積極的に推進してまいります。


需要振興策

  ビール酒造組合加盟5社は、平成19年より提唱している「ビールデンウィーク」を象徴するイベントとして「ビールデン バー」を5月25日(月)から5月31日(日)の7日間、開催いたしました。本年は日本最大級となる「15種類の樽生」の提供や試飲、各社が推奨する「ビアカクテル」の試飲を実施致しました、期間中22,000人以上の方に来場いただき、ビールが持つ「美味しさと世界観」を実感していただく事ができたものと考えております。

  また、「ビールデンネット」を開設して、ネットの主力ユーザーである20代の若者を対象に、ビールに関する様々な情報発信を行い、722,000アクセスを獲得することができました。

  需要振興施策につきましては、これまで行ってまいりました「ビアフェス」や「ビールデン バー」といったイベント中心の施策は所期の目標を達成したものと判断しております。来年度以降は、加盟5社各社が、それぞれマーケティング活動と連動し行っている施策により、効果的に需要を促進してまいりたいと考えております。


環境問題

  地球温暖化防止という点では、本年9月の気候変動サミットにおいて鳩山総理により、「日本の温室効果ガス排出量を2020年までに、1990年比で25%削減する」という高い目標値が掲げられております。ビール業界では、すでに5社平均では、1990年比30%を超えるCO2削減を達成しております。一方、今後予想される経済環境は予断を許す状況になく、一層の少量多品種製造が進む中、更なる削減努力を継続することにより産業界全体のCO2削減に貢献してまいりたいと考えております。

  また、循環型社会の形成に向けての取組みといたしましては、既にビール業界は、工場で発生する副産物や廃棄物に関し再資源化率100%を達成しており、確実に継続してまいりたいと考えております。

  さらにカーボンフットプリントの業界統一算定基準策定の取組みを実施しており、登録申請に向けた準備を整えているところです。

  容器環境問題につきましては従来どおり(社)食品容器環境美化協会、(財)日本容器包装リサイクル協会に加盟し、継続的に取組みを行っております。特に容器包装リサイクル法の次期改定に向けた論議が来年の秋頃から始まる見込みであります。既にビール業界としては、法改正に向けた業界としての考えの整理等の取組みに着手しており、来年度もこの流れに沿った活動を展開してまいります。
 
 



安全・安心と原料品質向上への取り組み

  本年9月に消費者庁が設立され、消費者の食品に対する安全と安心を確保するための法整備と取組みが一層強化されております。特に食品表示については、消費者の立場に立ち、より判りやすいものへと制度の見直しが検討されており、昨年に起きた事故米問題の反省から、コメの原産地表示を特定の加工食品に義務付ける「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」(コメトレーサ法)が公布されるなど、原料の一つ一つにまで遡った徹底した品質管理と保証が求められております。ビール業界では、安全・安心を求めるお客様のニーズに応え、信頼を得るべく、品質の維持・向上と安全性の確保を重要な課題として捉え、5社一丸となって長年にわたって鋭意取組んでまいりました。

  食品添加物、GMO農作物、原料の残留農薬といったビール業界にとっての重要な問題については、国内のビール大麦、ホップ生産者はもとより、輸入原料についても当該国の輸出機関との情報交換を密にし、お客様の信頼を獲得すべく活動を行っています。

  特に国産ビール大麦については、ビールの品質にとって極めて重要なタンパク質含量の適正化をはじめ、麦品質の一層の向上を目指す活動を、国内のビール大麦生産地、各研究機関と協力して計画的かつ中期的に取り組んでおります。また、ビール大麦の優良品種の育種についても、国の諸研究機関と協同で優良品種の開発、導入を図っております。

  さらに、ホップ原料の残留農薬基準に関しましては、『ポジティブリスト制度』を遵守するとともに、世界の栽培に関する情報収集に努めながら、適正な基準値設定のための働きかけを継続しております。


国際技術委員会(BCOJ)を通じた技術の発展・向上について

  世界のビール業界の再編やビールの飲用状況が激変する中で、国際的なレベルで業界をリードできる技術の向上と技術者間の交流は極めて重要な課題です。ビール酒造組合は「国際技術委員会」を組織し、各社で共同して分析技術を中心とした技術の開発、先端情報の発信・入手を行うとともに、諸外国の技術者とも連携を進めております。

  本年は、新型インフルエンザの影響でASBCやEBCといった海外のビール学会での発表件数は例年より少なくなりましたが、11月には恒例の海外発表再演会を開催し、ビール各社や関係官庁等約200名の参加を得ることができました。海外発表再演会は、来年は20周年を迎え、11月に開催する予定です。今後もこうした国内外での技術交流を充実し、ビール醸造技術の発展に努めてまいります。

注)
BCOJ
EBC
ASBC
:Brewery Convention of Japan
:European Brewery Convention
:American Society of Brewing Chemists


ビール型プラスチックパレット(Pパレ)共同使用

  ビール酒造組合が事務局を運営しているPパレ共同使用会では、会に加盟せずにPパレを使用しているフリーライダーに対し、無断使用防止・Pパレ返還の呼びかけを行うとともに、流失防止に強く取り組んでまいりました。また、昨年12月より物流パレットのマネジメントを専門とするRTIマネジメント社に酒類流通以外からの回収促進業務を委託しているほか、ポスター等を作成し、パレットの適正な使用に関する啓発活動を強化しております。

  共同使用会への新規加入についても、問合せは増加しており、本年12月15日現在の参加企業は52社に達しております。

(注)RTIマネジメント社:日本パレットレンタル株式会社のグループ会社

 
 
(注)Pパレ共同使用会加盟企業一覧   平成21年12月15日現在 会員52社
キリンビール株式会社 キリンビバレッジ株式会社 サッポロビール株式会社 サッポロ飲料株式会社
サントリー酒類株式会社 サントリーフーズ株式会社 サントリーワインインターナショナル株式会社
サントリービア&スピリッツ株式会社 アサヒビール株式会社 アサヒ飲料株式会社
三和酒類株式会社
月桂冠株式会社
日本盛株式会社
長龍酒造株式会社
大口酒造協業組合
札幌酒精工業株式会社
八鹿酒造株式会社
合同酒精株式会社
眞路ジャパン株式会社
山元酒造株式会社
高千穂酒造株式会社
土佐鶴酒造株式会社
小西酒造株式会社
白鶴酒造株式会社
橋酒造株式会社
株式会社一本義久保本店
長島研醸有限会社
北の誉酒造株式会社
ホッピービバレッジ株式会社
田苑酒造株式会社
清洲桜醸造株式会
ヤヱガキ酒造株式会社
大関株式会社(多聞印含む)
沢の鶴株式会社
銀盤酒造株式会社
宝酒造株式会社
黄桜株式会社
萱島酒造有限会社
小正醸造株式会社
火の国酒造株式会社
富永貿易株式会社
神楽酒造株式会社
菊正宗酒造株式会社
辰馬本家酒造株式会社
霧島酒造株式会社
盛田株式会社
メルシャン株式会社
齊藤酒造株式会社
雲海酒造株式会社
秋田酒類製造株式会社
福徳長酒類株式会社
中埜酒造株式会社

 
     
    以上、今年の活動についてご報告申し上げました。様々な課題が山積しておりますが、ビール業界としては、各社において引き続き積極的なマーケティングを展開するとともに、ビールの持つ本来の美味しさ、楽しさをたくさんのお客様にお伝えし、その結果一人でも多くの人々にビールをご愛飲いただけるような活動を継続してまいりたいと考えております。

  皆様方には引き続きご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。最後に、皆様にとりまして、来年が良い年になりますようお祈り申し上げます。
 
     
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