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リリース/会見
専務記者会見
     
  市本専務理事市本専務理事冬季記者会見
(平成22年12月15日)


 
     
    ビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から感謝申し上げます。本年の組合の諸活動についてご報告申し上げます。


市場動向

  本年の日本経済は、新興国を中心とした好調な海外経済の影響や、国内の景気対策の効果により、企業収益の緩やかな回復傾向がみられました。しかしながら、失業率5%台という厳しい雇用情勢や、欧州経済の信用不安や長期化する米国経済の停滞等による急激な円高の進行など、先行き不透明さを増す状況にあります。

  ビール業界を取り巻く環境は、生活防衛意識の高まりによる、消費者の節約・低価格志向、更には、輸入新ジャンル商品の拡大等、厳しい状況で推移しました。その中で、ビール酒造組合加盟各社は、多様化する消費者ニーズを的確に捉えた魅力的な商品開発や新たな価値提案により、市場の活性化と需要創出に懸命の努力を傾注いたしました。

  平成22年1-11月のビール課税移出数量は、2,561千kl、対前年比96.8%となっておりますが、記録的な猛暑を追い風に、7月以降では前年並みへの回復基調にあり、次年度への足がかりとなるよう期待しております。なお、同期間の発泡酒は894千kl、対前年比82.6%、新ジャンルは1,721千kl、対前年比109.6%となっております。

  続きまして、本年のビール酒造組合の諸活動について、説明させていただきます。


税制改正要望

  ビール酒造組合は「発泡酒の税制を考える会」と共に、平成21年に引き続き「ビール酒税の大幅な減税」「発泡酒酒税の減税」「新ジャンル商品の酒税の据え置き」を要望し、精力的に活動を行ってまいりました。

  ビールには極めて高率・高額な酒税が課されており、本年の調査では、日本のビール酒税は、諸外国と比較して、ドイツの22倍、フランスの15倍、アメリカの12倍となっています。

 
(「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の酒税に関する要望書 平成22年9月」より)

  また、本年6・7月に実施しました「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査」では、ビール、発泡酒の酒税については、約7割の人が「思っていたよりも高い」と感じており、新ジャンル商品の酒税についても約6割の人が同様に感じています。

  消費者の皆様のご期待に応えるためにも、今後ともビール・発泡酒・新ジャンル商品の減税要望活動を強力に進めてまいります。


公正取引・市場問題

  ビール酒造組合加盟各社は、平成18年に国税庁から発出された「酒類に関する公正な取引のための新指針」に則り、自社ガイドラインを策定するとともに、社内の遵守体制を整備し、公正取引の推進に真摯に取組んでおります。ビール酒造組合では、平成21年12月に公正取引委員会から発出された「不当廉売に関する独占禁止法の考え方」による酒類の取引実態に即した考え方にも十分配慮しながら、流通を含めた酒類業界全体の健全な発展のために、加盟各社とともに引き続き公正な取引環境の構築に注力してまいります。


アルコール関連問題


  本年5月、WHO総会において「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択されました。この世界戦略では、アルコール関連問題を10の領域に分け、各領域において、各国がそれぞれの状況に応じて採用・実施すべき施策が例示されています。この各施策の採用は「文化、経済状況等各国のおかれた状況に応じて」との但し書きがつくものとなり、実現可能性の高い合理的な内容であると評価しております。また、「戦略を実現するために、アルコール関連業者が重要な役割を果たすべきである」と明記されました。ビール酒造組合は、社会的責任を果たす観点から、この世界戦略の指針に則り、関係官庁等との連携のもと、アルコールの有害な使用の低減に向け、引き続き鋭意活動してまいります。

  国内では、平成17年にスタートした未成年者飲酒防止の啓発活動である「STOP!未成年者飲酒プロジェクト」を、本年も全国9エリア(首都圏、名古屋、京阪神地区、札幌市、仙台市、広島市、四国地区、福岡市、那覇市)で、春と秋2回のキャンペーンを実施しました。このプロジェクトは、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、カラオケスタジオ業界の参加協力もいただき、キャンペーン認知率も既に81.9%にまで達しております。

  また、「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」は、平成14年にスタートし、本年で9回目を迎え、今回も7,846点と多数の応募をいただきました。ポスターやスローガンを制作することにより、中学生・高校生自身の未成年者飲酒防止に対する意識を高めるとともに、学校や家庭、地域を巻き込む活動となる本キャンペーンは、地道ながら大変意義深いものと考えております。なお、来年1月には、今年の学校賞受賞中学校・高等学校で、新たに審査委員長にお迎えした東ちづる氏による講演会を予定しております。

  マーケティング活動では、アルコール業界8団体の「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示等の自主基準」について、本年4月より、テレビ番組を提供する場合の成人視聴率を従来の50%から70%に引き上げるとともに、妊産婦への注意表示を義務付けました。また10月からは、平日に加え土日祝祭日の昼間(12:00〜13:00)においても酒類のテレビ広告を禁止する等、社会的な要請を踏まえた不断の見直しと改定に主体的・積極的に取組んでまいりました。

  海外においては、世界有数のアルコールメーカーで構成するGAPGに加盟し、世界18カ国を対象に飲酒運転対策、業界の自主基準づくり、アルコール関連問題の調査を中心とした活動(Global Actions)に参画し、国際的にも役割を果たしております。

注)
GAPG:Global Alcohol Producers Group
注)
アルコール業者8団体:日本蒸留酒酒造組合、日本酒造組合中央会、日本洋酒酒造組合、全国卸売酒販組合中央会、全国小売酒販組合中央会、日本ワイナリー協会、日本洋酒輸入協会、ビール酒造組合


環境問題

  ビール酒造組合加盟各社は、日本経団連の「環境自主行動計画」に設立当初より参加することで地球温暖化対策への取組みを進めております。既に、加盟社平均で1990年比40%を超えるCO2削減を達成しております。多品種少量生産が進む中で、一層のCO2削減を推進していくことは、メーカーにとって厳しいものがありますが、低炭素社会の実現に向け、更なる削減努力を継続し、産業界全体のCO2削減に貢献してまいりたいと考えております。

  カーボンフットプリント(CFP)につきましては、昨年夏より30回以上の会合を重ね、飲料、容器等関連する業界とも刷り合わせを行いながら、業界統一の算定基準(PCR)を策定し、11月10日には、CFP制度試行事業事務局に「ビール類PCR原案」を提出いたしました。パブリックコメント、認定委員会の審査を経て、来年1月には公式認定を取得する見通しとなっております。

  容器環境問題につきましては、3R推進連絡会による「容器包装に関する3R推進自主行動計画」に参画し、目標達成に向けて着実に成果を挙げております。また本年は、ビール酒造組合ホームページに「ビールびんの回収にご協力ください」のバナーを掲載し、リターナブルビールびん回収促進の啓発活動にも取組みました。


 
  ビール型プラスチックパレット(Pパレ)共同使用

  ビール酒造組合が事務局を運営しているPパレ共同使用会では、会に加盟せずにPパレを使用しているフリーライダーに対し、無断使用防止・Pパレ返還の呼びかけを行うとともに、流失防止に取組んでまいりました。一昨年12月からは、物流パレットのマネジメントを専門とする「RTIマネジメント社」に酒類流通以外からの回収促進業務を委託しているほか、物流専門紙「カーゴニュース」にパレットの適正な使用に関する啓発広告を6回にわたって掲載いたしました。

  共同使用会への新規加入についても、問合せは増加しており、本年12月15日現在の参加企業は56社に達しております。

(注)RTIマネジメント社:日本パレットレンタル株式会社のグループ会社
 
 
(注)Pパレ共同使用会加盟企業一覧   平成22年12月15日現在 会員56社
キリンビール株式会社 サッポロ飲料株式会社 サントリー酒類株式会社 サントリーフーズ株式会社
サントリーワインインターナショナル株式会社 サントリービア&スピリッツ株式会社
アサヒビール株式会社 アサヒ飲料株式会社 キリンビール株式会社 キリンビバレッジ株式会社
三和酒類株式会社
月桂冠株式会社
日本盛株式会社
長龍酒造株式会社
大口酒造協業組合
札幌酒精工業株式会社
八鹿酒造株式会社
合同酒精株式会社
眞路ジャパン株式会社
山元酒造株式会社
高千穂酒造株式会社
白金酒造株式会社
土佐鶴酒造株式会社
小西酒造株式会社
白鶴酒造株式会社
橋酒造株式会社
株式会社一本義久保本店
長島研醸有限会社
北の誉酒造株式会社
ホッピービバレッジ株式会社
田苑酒造株式会社
清洲桜醸造株式会
ヤヱガキ酒造株式会社
指宿酒造株式会社
大関株式会社(多聞印含む)
沢の鶴株式会社
銀盤酒造株式会社
宝酒造株式会社
黄桜株式会社
萱島酒造有限会社
小正醸造株式会社
火の国酒造株式会社
富永貿易株式会社
神楽酒造株式会社
若潮酒造株式会社
菊正宗酒造株式会社
辰馬本家酒造株式会社
霧島酒造株式会社
盛田株式会社
メルシャン株式会社
齊藤酒造株式会社
雲海酒造株式会社
秋田酒類製造株式会社
福徳長酒類株式会社
中埜酒造株式会社
秋田県発酵工業株式会社 
 
 

醸造技術の向上と国際化

  ビール酒造組合では、「国際技術委員会(BCOJ)」を組織し、ヨーロッパの醸造学会(EBC)やアメリカの醸造学会(ASBC)を中心とした諸外国の技術者との国際交流を促進してきました。また、ビール大麦育種検討会、各社製品の相互試飲会、各種講演会等の場を通じ、ビール醸造技術の向上と品質保証に関る分析技術の整備、先端情報の共有や技術者同士の交流を深める活動に注力しております。本年も、ビール酒造組合加盟各社は、世界のビール関連学会において、合計15件の最先端の研究成果を発表し、日本の高度な醸造技術をアピールしました。

  BCOJ年次大会は、本年20周年を迎え、約200名の参加を得て盛大に開催されました。平成3年の第一回大会から本年の大会までに、口頭発表で266件、ポスター発表で207件、合計473件の海外での研究成果発表の再演が行われており、世界のビール醸造技術の向上に多大の貢献を果たしてまいりました。

  今後もこうした活動を通じて、日本のビール醸造技術の更なる発展・向上、そして国際レベルでの中心的な地位確立を目指してまいります。

 
 
注)
BCOJ
EBC
ASBC
:Brewery Convention of Japan
:European Brewery Convention
:American Society of Brewing Chemists
      
 
 



安全・安心と原料品質向上への取り組み

  消費者の食品に対する「安全と安心」をさらに向上させるため、消費者庁が中心となり、「消費者の選択のために必要な情報を提供する」という観点で様々な活動が推進されています。 ビール酒造組合では、原料である大麦、ホップから最終製品に至るまで、法令の遵守は当然ながら、更なる品質の向上と安全性の確保を最重要課題として捉え、関係諸機関とも連携しながら取組んでおります。

  国産ビール大麦については、ビール品質にとって重要なタンパク質含量の適正化、優良品種育種活動等、加盟各社や大麦生産者、各研究機関と協力し、中期的な視野に立った活動を推進してまいりました。 本年は、大麦の生育に合わせて、全国の栽培現場の視察を7回、品質検討会等を14回実施いたしました。

  国産ホップについては、新規農薬の導入等において、残留農薬の「ポジティブリスト制度」を確実に遵守できるよう、農薬メーカーやホップ生産者、関係省庁と連携し活動しております。

  ビール酒造組合は、今後とも加盟各社とともに、お客様に世界一の「安全と安心」をお届けするよう全力で取組んでいく所存です。

  ビール酒造組合としては、ビールの持つ本来の美味しさ、楽しさをたくさんのお客様にお伝えし、その結果一人でも多くの人々にビールをご愛飲いただけるよう、業界の健全な発展に向けた活動を継続してまいりたいと考えております。

  皆様方には引き続きご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 
     
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